「相客」とは、たまたま同じ席に居合わせた客をいう。組香では、試香に出されず既知との照合を拒む一炷を「客」と呼ぶ。本展の名は、その二つを重ねた香の名である。香をきくとき、対象は鑑賞のあいだに失われていく。それでも香は、定められた作法によって、鑑賞の一形式であり続けてきた。その構造は、触覚の語で器を語り、見立てや銘で感覚を記憶へ結ぶ、日本の「愛でる」姿勢と重なる。
作り手もまた同じ姿勢の内にいる。土に聞き、火に聞くとは比喩ではなく、素材の抵抗に判断を委ねる工程そのものを指す。作品は、それを聞き取る者の存在によって完成する。見ることが対象を掌握する手立てなら、聞くことは時間の主導権を対象に渡す。素材も世代も出自も異なる作品が、富岡鉄斎の襖絵とともに一つの座に同席する。作品も道具も来場者も、互いに相客である。
通常は非公開の鉄斎の間にて開催。富岡鉄斎の襖絵「大江捕魚図」を特別公開いたします。
同時開催:KOGEI ARTIST LEAGUE(西指庵)
監修・キュレーター
黒澤 浩美 Kurosawa Hiromi
ボストン大学(マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)卒業後、水戸芸術館(茨城)、草月美術館(東京)を経て2003年金沢21世紀美術館建設準備室に参加。建築、コミッションワークの企画設置に関わる。2004年の開館記念展以降、金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターとして、「オラファー・エリアソン」「ス・ドホ」「フィオナ・タン」「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」「マーク・マンダース」「ミヒャエル・ボレマンス」など、国内外で活躍する作家と作品を紹介。ミュージアム・コレクションの選定や学校連携や幅広い年齢の来館者に向けた教育普及プログラムも企画実施。2011年City Net Asia(ソウル、韓国)、2017年OpenArt(エレブロ、スウェーデン)に参加。2018年東アジア文化都市(金沢)総合キュレーター。2022年より株式会社ヘラルボニー アドヴァイザー、2025年3月に金沢21世紀美術館を離れ、同4月より株式会社ヘラルボニーCAO(Chief Art Officer)に就任。岡山にある公益財団法人石川文化振興財団ラビットホールのディレクター、株式会社anemos共同代表。東京芸術大学特任教授。
会期2026年11月8日(日)〜11月10日(火)
時間9:30~16:30
会場京都・慈照寺 書院および集芳軒
入場料3,000円(拝観料込み)
チケットはこちらからご購入ください:https://artsticker.app/events/164971
会場保全の為、靴下着用にてご入場ください。足先の濡れがある場合、新しい靴下への履き替えをお願いいたします。
館内は撮影禁止となっています。
会場京都・慈照寺 書院および集芳軒
住所京都府京都市左京区銀閣寺町2
Webhttps://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/
お名前とご用件を明記の上、
メールにてお問合せください。












