SENSORIUM センソリウム SENSORIUM センソリウム SENSORIUM センソリウム

コンセプト コンセプト

展覧会「センソリウム」は、従来の工芸と美術の境界を超えた形で、新しい造形表現に挑む作家による作品を紹介する展覧会です。タイトルの「センソリウム」は、視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚の五感を総括する人間の感覚体験の全体を指します。作品を愛でることは、視覚が優位と思われがちですが、実は、人は、五感を通じて獲得した、それぞれの身体的あるいは心理的な体験を、自身の記憶から蘇らせて作品に投影し、作品から得る新しい体験をフィードバックしています。
工芸作品は、手作業で制作されたかたちと関連付けられ、機能性、技術、陶器、織物、漆、木、金属などの素材の固有の特性に重点が置かれてきました。一方、現代美術の作品は、自己表現、または概念的な探求のためと理解され、形態、象徴性、感情的な影響を重視する傾向があります。展覧会「センソリウム」では、美術と工芸というカテゴリーで作品を分類するのではなく、互いを結びつける特性に着目して、人を介して、ひとつの体験の「回路」が生まれることを期待するものです。観ることで生まれる、作品と私たちの間の創造的な共鳴を脳内に作り出すよう促し、自身の経験を想起し再解釈する。この流動性が世界を見る新たな視点と体験を刺激する可能性を示しています。
展覧会の会場となる泉涌寺は、京都府京都市東山区にある真言宗泉涌寺派の総本山で、皇室との関わりが深く「御寺(みてら)」とも呼ばれる寺院です。鎌倉時代に月輪大師俊芿によって再興され、歴代天皇の菩提寺として知られ、緑豊かな自然が精神的な存在感と調和しています。人間の感覚の全領域を包み込むことで、泉涌寺での体験の一部始終が記憶に残る体験の回路に組み込まれることでしょう。

キュレーター キュレーター

監修・キュレーター
黒澤 浩美 Kurosawa Hiromi

ボストン大学(マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)卒業後、水戸芸術館(茨城)、草月美術館(東京)を経て2003年金沢21世紀美術館建設準備室に参加。建築、コミッションワークの企画設置に関わる。2004年の開館記念展以降、金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターとして、「オラファー・エリアソン」「ス・ドホ」「フィオナ・タン」「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」「マーク・マンダース」「ミヒャエル・ボレマンス」など、国内外で活躍する作家と作品を紹介。ミュージアム・コレクションの選定や学校連携や幅広い年齢の来館者に向けた教育普及プログラムも企画実施。2011年City Net Asia(ソウル、韓国)、2017年OpenArt(エレブロ、スウェーデン)に参加。2018年東アジア文化都市(金沢)総合キュレーター。2022年より株式会社ヘラルボニー アドヴァイザー、2025年3月に金沢21世紀美術館を離れ、同4月より株式会社ヘラルボニーCAO(Chief Art Officer)に就任。岡山にある公益財団法人石川文化振興財団ラビットホールのディレクター、株式会社anemos共同代表。東京芸術大学特任教授。

Kurosawa Hiromi
photo Yuna Yagi

会期・時間 会期・時間

会期2025年11月13日(木)〜11月16日(日)
時間9:00〜16:30 (閉門17:00)
会場泉涌寺

アクセス アクセス

会場泉涌寺
住所京都市東山区泉涌寺山内町27
Webhttps://mitera.org/

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